末永く同じ時を共に過ごすことができることも、その大きな魅力となるのも機械式時計の人気の秘密なのかもしれません。また、クオーツ式時計であっても定期的なメンテナンスを行うことで、より長く同じく時を刻み続けることができるのではないかと思います。

 

機械式時計であってもクオーツ式時計であっても、定期的なメンテナンスを行うことがその大前提となっています。ですが、このメンテナンスは定期的に行うことが良いことはわかっていても、様々な理由によって定期メンテナンスを受けることが困難な時計ユーザーの方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、定期的なメンテナンスを行いたいが、何らかの理由で実行できない時計ユーザーに向けて、時計修理の千年堂が考えるオーバーホール時期に起こりやすい時計の症状についてお伝えしていきます。

 

この症状が起こり出す時期は要注意!

 

 

理想的な時計メンテナンスの間隔となるのが、4~5年毎の定期的なメンテナンスを行うことが最良な状態を保つためにもおすすめなメンテナンス間隔となります。このような定期的な時計メンテナンスを行えない時計ユーザーに多いのが、その時計に起こる様々な症状によって判断される方が多くいらっしゃるようです。

 

また、このような時計の症状は「時計修理の千年堂」へとオーバーホールを依頼されて、郵送されてくる時計の症状にも比例しているようです。

 

そこで、このようなオーバーホール時期に起きる特徴的な時計の症状を、軽度な症状からご紹介していきましょう。

 

リザーブ時間の減少

 

機械式時計は腕につけることで、その腕の動きをローターへと伝えゼンマイへを巻き上げ、そのゼンマイがほどけることで針を動かしています。このゼンマイが巻き上がった状態から、ほどけ切った状態までの時間のことをリザーブ時間と呼んでいますが、オーバーホール時期の初期に起こるのが、このリザーブ時間の減少が挙げられます。

 

このリザーブ時間は、その時計ムーブメントにもよっても違いがあるようですが、多くの機械式時計のリザーブ時間は48時間前後ではないかと思います。このリザーブ時間の減少が初期に起こる症状となります。ですが、このリザーブ時間の減少は毎日のように腕に巻いているような方では気付き難いのではないかとも思います。

 

そこには、このリザーブ時間を作り出すのは腕の動きをローターがゼンマイへと伝えることで発生するのですが、このローターの油切れやゼンマイの劣化がその大きなリザーブ時間減少の原因だと考えられます。特に、手巻き式時計の場合はこのリザーブ時間の減少は如実にわかりますので、手巻き式時計での症状としては有名ですね。

 

時間が遅れるようになる

 

この症状は、歯車・ゼンマイの磨耗や劣化と共に油切れや油の劣化によって起こる代表的な症状となります。油劣化により歯車の回転が重くなっていることもその大きな要因ともなっていますが、いずれにしても油切れや劣化がその原因です。

 

機械式時計のトラブルの多くが、この油切れや劣化を原因とする摩擦によって引き起こされる場合がほとんどです。なので、時計の遅れはその症状を見極めることができる大きな症状ですので、このような時計の遅れを感じた場合はオーバーホールの検討をされるのが良いでしょう。

 

時々止まる、動かない

 

この症状が起きている場合は、そもそも時計をつけるのは避けた方がよいでしょう。このような状態での使用は歯車の焼き付きなどの原因となり、部品交換が発生する可能性が大きくなります。

 

この場合も、油切れや油の劣化を原因として起っています。また、ものすごく遅れだした時計も、止まる前兆のよく起こる症状ですので注意してください

 

まとめ

 

  1. リザーブ時間の減少
  2. 遅れるようになる
  3. 時々止まり、動かない

 

今回は、時計修理の千年堂が考えるオーバーホール時期によく起こる時計の症状を順番にお伝えしてみました。今回ご紹介した症状のすべても、ムーブメント内の油切れや油の劣化によって引き起こされる症状ばかりとなります。

この油切れを放置することは、その後のオーバーホール時での部品交換の発生や、深刻なトラブルへと進行してしまうかもしれませんので気を付けるようにしましょう。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です