機械式時計をお持ちの方達の共通の悩みと言えば、「オーバーホールをどうするか?」という事があると思います。前回のオーバーホールや購入してから4~5年経過したからという理由でオーバーホールに出している方が多のではないでしょうか。

 

4~5年間隔で定期的にオーバーホールをすることが、その時計の寿命を延ばすことと同時に、その時計のコンディションを維持するためには理想的です。

 

ただ、上記の期間に満たなくても何らかの症状を抱えているためにオーバーホールを検討されているという方もいるかも知れませんよね?
そこで今回は、時計修理の千年堂にオーバーホールを依頼したユーザーの、そのきっかけとなった症状・動機について書いてみようと思います。

 

1.時計の持続時間が減少する

 

潤滑油の劣化で起こる代表的な症状といえるのが、この「持続時間の減少」が挙げられます。機械式時計のムーブメントは、精密な歯車によって構成されていますが、歯車の軸に注油されている潤滑油が劣化すると徐々に動きが重くなることによる原因で持続時間の減少が現れるようになってきます。

 

機械式時計の多くは、ゼンマイを一杯まで巻き上げてから約40時間ほどは動き続けることができます。しかし、潤滑油の劣化や油切れが起こると、この持続時間が1日も持たなくなることがあります。

 

毎日腕に着けているのにもかかわらず、時計が止まってしまうような場合は、この潤滑油の劣化が原因の場合がほとんどです。このような症状が現れているのは明らかにオーバーホール依頼の時期です。すぐにオーバーホールに出した方が良いでしょう。

 

2.時刻が合わず遅れるようになる

 

機械式時計の場合の1日の誤差が、1分以内のような場合は気にすることはありませんが、1日に何分もの誤差が生じるようになった場合はオーバーホールや修理を行う必要があります。特に誤差といっても進むのではなく遅れてくるようになった場合は特に問題です。

 

そもそも機械式時計は、1日に数秒の進みに調整されています。しかし、潤滑油の劣化で歯車の動きが重くなってくることで徐々に遅れとなってくるのです。そして、この遅れの現象が突然進みに転じることがあります。

 

いつも遅れていたのに最近急に進むようになった場合は、止まって動かなくなる前の特異な現象のようですので、この場合もまたオーバーホールの時期だということです。

 

3.決めていたオーバーホールの時期になったため

 

時計に何らかの現象が現れるようになったからではなく、ただ単にオーバーホールの時期を決めており、その時期が来たから以来るという方もいらっしゃいます。

 

機械式時計は、そのほとんどの症状の原因は、各パーツに注油された潤滑油の劣化や油切れによって引き起こされる場合がほとんどです。この潤滑油は、時計製造から4~5年ほどで乾いてしまいます。したがって、4~5年の周期でオーバーホールをするのが最も最良な選択となるのです。

 

定期的なオーバーホールやメンテナンスを施された時計は、その後の耐用年数に大きな差が生まれてきますので、末永く使いたい時計ほど4~5年の周期でのオーバーホールが望ましいということです。

 

最後に

 

機械式時計は、その構造上どうしてもオーバーホールやメンテナンスが必要になってきます。ですが、クルマなどと違い時計は簡単にオイル交換というわけには行かないものです。油切れが起こることで時計には様々な症状が出ますので、この潤滑油の劣化を防ぐためには定期的なオーバーホール・メンテナンスが必要になってきます。

 

今回ご紹介した「時計修理の千年堂」にオーバーホールを依頼されたユーザーの、きっかけとなった時計の症状・動機について書いてみましたが参考になりましたでしょうか?

 

私の場合は、時計が1日に数分遅れるようになってからも使用し続けた結果止まってしまったのですが、止まってしまった時計の場合は部品交換などの修理も必要になってきます。そのため、修理に多くの金額が掛かってしまうことになりました。

 

もし、持続時間が以前より短くなった、時計が数分遅れることがあるという症状があなたの時計にも現れているようであれば、早めのオーバーホールを検討されてもいいのかな・・・と思いますよ。

 

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