OMEGA SEA MASTERには大きく分けて3つのモデルがあります。
- 1・通常の120m防水モデル
- 2・プロフェッショナル300m防水、エスケープバルブ搭載モデル
- 3・プロフェッショナル300m防水、クロノグラフ搭載モデル
OMEGA SEA MASTERにおける、それぞれの特徴的なトラブルとその対処法などと共に修理費用の概算も合わせて紹介してみようと思います。
3モデル共通のトラブル
①止まる
リューズを使って手動巻き上げをしても手応えがなく軽い場合はゼンマイ切れの可能性が高いようです。
秒針が逆転するなどの特徴的な現象がみられます。
このゼンマイ切れは前触れもなく突然切れてしまいます。
歯車の軸には潤滑油が注油されていますが、製造後3~4年で油は乾いてしまいますので定期的なオーバーホールを行いましょう。
ゼンマイ交換 5,000円~
②手動で巻き上げるとゴリゴリする
リューズを使って手動でゼンマイを巻き上げた時の感触がゴリゴリする場合は歯車が搭載されている軸が摩耗している可能性がかなり高いようです。
油切れが主な原因ですので、やはりオーバーホールが必要になります。
持続時間が短くなっているために、毎日手動でゼンマイを巻き上げいるような場合は要注意です。
軸部品代 2,000円~
③時間がかなり進んでしまう
1日に1時間以上も進んでしまうような異常な時間の狂いの主な原因としては、ヒゲゼンマイの絡みつきがあります。
ヒゲゼンマイとは、時計の振り子の中心にある渦巻状のバネですが時計を落とすなどの衝撃によって、このヒゲゼンマイの中心がずれたり歪んだりしてしまうことによって起こるようです。
ヒゲゼンマイの絡みつきは修正することが可能なのですので修正してもらいましょう。
ヒゲゼンマイ偏心修正 3,000円~
④リューズのトラブル
リューズ内部に挿入されているパッキンは、経年劣化してしまうために定期的な点検が必要です。
リューズ交換 5,000円~
⑤リューズがロック出来ない
OMEGA SEA MASTERはねじ込みのリューズですが、このリューズのネジ山が摩耗してしまうとロックが出来なくなってしまいます。
こうなってしまうとケースに付いたチューブとリューズの同時交換となるようです。
ケースチューブは、溶接留めになっているために1ヶ月ほどの期間が必要になるようです。
ケースチューブ・リューズ交換 20,000円~
⑥ガラスの曇りや水の侵入
曇りや水の侵入を確認した場合は早急な対応が求められます。
水の侵入があると約3日ほどで内部の機械にサビが発生してしまい、緊急処置をしないと修理費用が高額になっていきますので、1分でも早く修理業者への連絡を行いましょう。
修理費用 要相談
クロノグラフ搭載モデル特有のトラブル
①12時間計の針が勝手に進む
ストップウォッチのボタンを押してもいないのに12時間計の針が勝手に進むことがあるようです。
通常はストップウォッチの歯車をストッパーによって停止させていますがこのストッパーが摩耗してしまうことで起こるようです。
このストッパーのトラブルは良く起こるそうで今では金属製の純正強化部品が出ていますので歯車とのセットで交換が可能です。
ストッパー交換 8,000円~
②クロノグラフ動作不良
クロノグラフの動作不良の原因は、そのほとんどがカム軸の破損やスライドピニオンが破損することによって起こります。
時計を落としたなどの衝撃によって起こる事が多いですが油切れによる軸の摩耗によっても起こります。
カム軸部品代 2,000円~
③カレンダー送り軸トラブル
カレンダー送り軸のトラブルで多いのが、カレンダーが切り替わる時刻での早送り機構を動かすことが原因で良く起こります。
20時~8時まではなるべく早送りしないようにしましょう。
カレンダー送り軸部品代 2,000円~
④プッシュボタンのトラブル
プッシュボタンは、内側からネジで固定されているために簡単には緩むようなことはないようですが、長年の使用で緩むこともあるようです。
プッシュボタンの内部にはパッキンが挿入してありますが、油切れやゴミの侵入でこのパッキンが痛むこともあるので注意が必要です。
プッシュボタン交換 11,000円~
まとめ
OMEGA SEA MASTERに限らず時計のメンテナンスは、調子が悪くなる前に行うことが基本です。ここで紹介したトラブルも、そのほとんどは定期的なメンテナンスで防ぐことが出来ます。
OMEGA SEA MASTERはダイバー用の30気圧防水機能が備わっていますが、リューズやプッシュボタンについた水分は、容易に乾きませんので防水時計だからといっても注意が必要です。
あなたの大事なOMEGA SEA MASTERを、末永く使って行くためにも信頼のおける時計技術者を見つけることは大変重要です。